会議の多さに悩んでいる方いませんか?
1時間も会議したのに何も決まらずにフワッとして終わった。。
会議で決まったことが本質とズレている気がする。。。
こういう方は決して少なくありません。そもそも会議に種類があるのはご存知でしょうか?
会議は大きく下記の4種類に分類されます。
- 意思決定会議:決裁を仰いだり、合意を取る会議
- 進捗管理会議:決定事項の実施状況を追跡・確認する会議
- アイデア出し会議:新しい施策やサービス、ビジネスを考え出す会議
- 情報伝達会議:全員が知るべき情報を報告・共有する会議
私の会社は何も決まらない会議がたくさんあります。特に「情報伝達会議」が多い割には伝達するための資料が無かったり事前に担当者に共有していないケースが良くあります。現在私が主催の会議や参加する会議では改善を進めております。
「その会議必要ですか?」と言うように意識しております。これが意外と効果あって、私がこの一言を言うことで先輩や他の主催者が必要性を説いてくるので意味のある会議が増えました。嫌われるリスクはありますが。。(笑)
「情報伝達会議」が不要という話は先日記事でご紹介させていただいておりますので見ていただけますと幸いです。
今回は合意を取ったり、決裁を取るための会議である「意思決定会議」についてご紹介いたします。
意思決定会議とは?
意思決定会議は、提出された議題に対して確認をして承認したり、再提出を求める会議です。
分かりやすく言うと何かを「決める」ための場です。
- プロジェクトの開始(終了)を決める。
- 採用などの人事について決める。
- 設備投資について決める。
具体的に言うと会社で1,000万円のシステム導入を検討しているとします。金額が大きいため現場の裁量で発注を行うことは出来ません。発注をするためには決裁者に「発注をしてもいいよ」と承認をもらう必要があります。承認をもらうためには、
- システムを入れることによる効果
- かかる費用の内訳
- 他製品との比較結果
など、様々な材料をその会議で共有して会社にとってメリットがあると決裁者が判断したらゴールです。
しかし会議の目的が明確では無かったり資料が揃っていないことで時間内に的確な判断ができない場合、意思決定会議で決定しないこともあります。
意思決定会議で最もしてはいけないのは「決まらない」こと
意思決定会議では何かを「決める」ことがゴールとお伝えしましたが、最も避けたいのは「決まらない」ことです。
何も決まらなかった状態で会議を終えてしまうと会議のアウトプットがゼロになります。
言い方を変えると「その会議は何の意味もなかった」ことになります。無駄な時間を過ごしたと参加者のイライラも募りその事業自体のスピード感も落ちてしまいます。
「決まらない」場合の多くの原因は会議のやり方に問題があることが多いです。
無駄なく、効率よく、クオリティの高い意思決定をするための「意思決定会議」を行うにはどうしたらいいのかを下記にご紹介いたします。
プロジェクトを推進する人が会議のオーナーになる。
会議の主催者のことを「オーナー」と呼びます。「意思決定会議」の成否はオーナー次第です。
私の会はではオーナーと進行役が異なることが多く、「部長、この内容で宜しいでしょうか?」と進行役がオーナーに確認する光景がよく見られます。これは私の会社に限ったことではなく日本の会社が全体的にそうであると思います。
しかし効率よく、質の高い意思決定をするためには「プロジェクトリーダーやプロジェクトを推進する人が、会議のオーナーになること」です。
会議のオーナーと進行役が別だと、進行役はオーナーに都度お伺いを立てる必要があり、論点がブレたり声の大きな人に引きずられたりしてしまいます。
発言力がある人の意見は聞き流せないよね。。。
会議を円滑に進めることも大事ですが、「意思決定会議」においては意思決定がゴールなので決定することに重きを置いた方が良いよ。
「オーナー」は、参加者を集めて進行役を務めて意思決定を行いながら、議事録を配信するところまで責任を持ってやり切る必要があります。この議事録は他人に任せることもありますが配信はオーナー自ら行う方が効果があります。議事録配信後も言いっぱなしにならないように定期的な参加者へのフォローをして成果を出すようにすることも役割となります。
まとめると下記となります。
- 参加者の選出
- 会議の進行
- 議事録の作成(他人に任せても良い)
- 決定事項の進捗確認
議事録の書き方については下記記事を参考にしてください。
3つのWを意識する
会議が終了した時に、参加者が持っている情報が開始前と変わっていない場合はその会議の価値はゼロです。会議を開くには必ず何らかの変化がなければ意味がありません。
主催するからには時間内にクオリティの高い意思決定を行う必要があります。そのため最初にオーナーがやることは「会議を開く目的」と「結果」を明確にイメージしておくことです。
会議を行なって1時間後には参加者がどうなっていることがベストか?
を事前に自分の中でイメージしておく必要があります。そのために必要なことは次の三つになります。
- WHAT(何を)
- WHO(誰が)
- WHEN(いつ)
この3点を時間内に決めることが今回の会議の目的です。と始めに参加者に伝えておきましょう。
最初に目的を言ってもらえると参加者側も意識をするから「決まらない」会議を回避することができそうだね。
会議は沈黙から始める
これはAmazonが行っていることになりますが、会議開始の冒頭15分は無言で会議資料を読み込む時間としております。
この時気をつけることは沈黙を保つことです。一通り目を通すまで質問などは一切受け付けません。
周りから見ると少し奇妙な集団に見られそう。。。
Amazonの社員は全員が徹底しているから全く違和感がないんです。
良い資料と沈黙が非効率な質問を排除する
会議の概要を冒頭で説明するやり方では、資料に記載している内容をその場で質問してくるケースがあるため進行が止まってしまいます。既に書いてあることを質問するのは時間の無駄です。読みながらわからないところはマークをつけておいて別ページで説明されていたら消す。説明がなければ残して最後にまとめて質問を行う。
このやり方が時間的にもクオリティも断然効率良くいいものが出来ます。
そのことからAmazonでは沈黙を会社のルールとして取り入れております。
一言も喋らない会議が最高の会議
Amazonが考えている最高の会議は、沈黙のまま終わる会議です。
それ会議じゃなくない?
資料が優れていたら誰の疑問も出てこず「これで行きましょう」となるのでないので沈黙のまますぐ会議が終わります。
オーナーが作成した資料が何の疑問が出ない資料であれば、参加者は議論せずに全て承認してその会議を終えることができるのです。それが、Amazonでは最高の会議として全員が目指している意思決定会議のあり方になります。
オーナーの3つの仕事
沈黙のまま終わるのが最高の会議と述べましたが、そのような会議は実際ほとんど存在しません。オーナーは会議時間内に的確な意思決定をすべく議論を仕切る必要があります。オーナーがすべき3つの仕事についてご紹介いたします。
参加者全員を巻き込む
最高の意思決定を下すためには、参加者の頭脳をフル活用する必要があります。
会議のオーナーが、全員が資料を読み終わった後に参加者に「この部分はどう思いますか?」など考えを聞き出しながら議論を活性化させるように進行していきます。
関係者を巻き込み様々な視点から検討しないと全員が納得する正しい意思決定は出せません。
また、黙っているからといって了解していると判断することもやめましょう。発言をしない人にも「これで大丈夫ですか?」など確認を入れることで全員の方向性を揃えていく必要があります。
タイムマネジメントを行う
参加者全員が議論をし始めると白熱して時間があっという間に過ぎることもあります。
残り10分程度で急いで話をまとめようとするといい意思決定はできませんので再度会議を開催する必要が出てきます。日を改めて会議をするとまた同じところから始めて繰り返し同じ議論をしてしまうケースも多いです。
こういった時間の無駄をなくすためにオーナーはタイムマネジメントも意識しておく必要があります。1時間の会議であれば
- 30分前:資料についての疑問点をまとめる
- 10分前:決定事項を確定させる
- 5分前:まとめ
といった具合にあらかじめオーナー自身の中でタイムラインを決めておきます。自分も話をする必要があるので時間に気付けないこともあります。
その場合はスマートフォンでタイマー設定するか別の参加者にお願いするなどして時間を意識して会議を致しましょう。
議事録を作成する
会社では会議を行なったら議事録は必ずといっていいほど残すことになっているかと思います。これを怠るとその時何を話したのかが振り返れなくなります。
それを避けるために議事録の作成をオーナー自身が行う必要があります。進行役と兼任が難しい場合は他の参加者にお願いするでもいいです。それでも会議が終わった後に議事録を配信するのはオーナーの仕事です。
議事録は記憶が新しいうちに早く送ることを意識しましょう。
早い人では進行しながらメールなどにタイプ打ちしながら議論を進めるので、会議が終わった直後にメールで送るのもありです。
まとめ
今回は意思決定会議の進め方についてご紹介をさせていただきました。
全てをいきなり真似する必要はないと思います。私自身全てを常に実践できているわけではありません。
まずは会議前に資料を作る、参加者には会議の目的を明確に伝える、自分の中でのゴールはセットしておく。
この辺りは今日からでも始められますので是非実践で試してください。
下記の本を参考にさせていただいております。