今回は新入社員の方はコミットメントという聞きなれない言葉を聞く機会が増えると思います。
仕事に対するコミットメントとは「約束したことをやり遂げること」です。
そして約束した以上のものを提示する。それが信用になり次のビジネスに繋がります。
どんなビジネスパーソンでも学生時代から何に対してもコミットメントをする力を持っていたわけではございません。
コミットメント力が高い人は顧客だけではなく社内・仕入れ先から非常に高い評価を受けることができます。
コミットってよく聞くけど、実際何をしたらコミットメントになるの?
そこまで難しく考える必要はないよ。やることはシンプルです。
なぜ仕事にはコミットメントが重要なのか?コミットメントはどの様にして身につけることができるのか?をご紹介いたします。
コミットメントとは?
コミットメント(commitment)とは、「委託、関与」「公約、約束、言質」「責任」「参加」などを意味する言葉です。つまり、責任をもって自分が関わっていくこと、責任をもってある事象や物事に関わっていくことを公約・明言すること、責任を伴う約束をすることを指す言葉です。
「我が社のコミットメントはCO2排出量20%削減だ」(公約)
「売り上げ30%UPをコミットします」(約束)
「予算について社長のコミットメントが得られた」(確約)
「そのプロジェクトに是非コミットしたい」(関わり)
「部長は今回の人事異動にコミットしない」(介入)
「先進国の積極的なコミットメントが必要だ」(関与)
「結果にコミットできないようでは困る」(責任を持つ)
https://news.mynavi.jp/article/20181015-699633/
などなど色々な使い方がありますが今回は「公約」「約束」の意味でのコミットメントについてご説明させていただきます。
一度約束したことは確実にやり遂げる。
お客様と商談をしていると色々な相談をもらうことがあります。
- 社員が持ち歩いている端末を管理できるようにしたい。
- バックオフィス系のデジタル化を進めていきたい。
- パソコンのスペックを上げたい。
- バックアップを真剣に考え直したい。
- 営業の効率を上げるためにSFAの導入を検討したい。
といった具合にお客様によって抱えている課題は全く異なります。それぞれに真摯に向き合ってコミットメントしていくことが信用になります。
私が仕事でコミットメントが重要と思ったエピソードなのですが、入社して3年目の時にお客様より「モバイル端末を管理したいから1週間以内に提案しにきて欲しい」という相談をいただきました。
「MDM」と呼ばれる監視ソフトの提案をさせて頂くためあらゆるメーカーの情報を集めて比較資料も作成し、全製品の見積もりも作って提案をしにいきました。
自分の中では100%で回答をしようと考えて全力で取り組んで持っていったのですが期限を過ぎてしまっておりお客さまに持っていったのは2週間後でした。
その時、お客様に言われたのは「何の連絡もなかったから他の業者さんに依頼したからもう良いよ。」でした。
途方に暮れたことを覚えてます。
100%を2週間後に持っていくのではなく、60%の出来を翌日に持って行く。そこでお客さんの声を取り入れながら顧客課題を解決することが重要であると学びました。
- 「期待値に届いていなくても時間に間に合わせる」
- 「どんな状況でも言い訳しない、自分が約束したことは必ず守る。」
どれだけ完璧な内容でも期限が守れないのであれば全く意味がありません。
お客様を中心に考えて求めるものを約束通りに提示する。
ここで重要なのがコミットの対象が「お客様」であることです。
社内の上司の評価を気にして仕事をしているのであれば今すぐにやり方を変えましょう。そのやり方は上司が納得する資料を作ってうまく言い訳をして終わりです。
コミットメントは社内ではなくお客様を最優先に行うべきです。上司ではなくお客様を助けること。お客様の課題に対してコミットをすることが非常に重要でそれに対しての対価を得ることができます。
- 頑張ることにコミットする。
- 社内の上司にコミットする。
- 仕事の成果に対してコミットする。
- お客様とコミット約束したことは何があってもやり遂げる。
- 常にお客様の期待値を上回るものを持っていく。
上記を繰り返し行うことで信頼を勝ち取ることができます。ビジネスで成功するにはこれがほぼ全てと言っても過言ではございません。
人の手を借りても良い
もう一つ、私の経験から学ぶポイントがあります。
期限に間に合わないのであれば人に頼るべきでした。私は、必死に努力をして自分の実力では足りていない部分も時間でカバーして作り上げてしまいました。その結果期限内に終わらせることができずに案件の失注につながってしまいました。
メーカーや上司に頼ってアドバイスをもらう、なんならメーカーに同行してもらってお客様に説明をしてもらう。この選択肢をとっても、コミットメントの観点では全く問題ありません。
自分の手に負えないなと思うことがあったら周りに助けを求めることが正解になるのです。
誰かの手を借りたり、代わりに誰かにやってもらっても期限内にお客様の求める回答をすることができれば良いのです。
コミットする対象は常にお客様です。
コミットメント力を高めるには?
重要だと言ってきたコミットメント力、どうすれば磨くことができるのか?
次の3点になります。
仕事内容に納得して取り組むこと。
これは全てのビジネスパーソンに言えることです。今の会社に入社した理由は人によって様々ですが、自分が取り組んでいる仕事に納得していると、労働時間が長かったりノルマが厳しかったり定時に帰れないからどうこうという不満は出ません。
今の仕事は自分が選んでいるという意識がコミットメントを高めていきます。
コミットメントが高い組織に所属すること。
コミットメントは伝染します。
周りのコミットメント意識が高い組織はそれに感化されて自然とコミットメント力が身に付きます。
ベンチャー企業や外資系企業、コンサルティング企業はコミットメントが高い組織が多い傾向にあります。会社全体でコミットメント力が高いというのは珍しいケースです。営業部・支店・チーム単位で見て良いです。
もしコミットメントの低い人が多い組織であれば距離を置いて、自らコミットメント力の高い組織に近付くよう意識づけをしましょう。
組織を自分で選ぶことが難しい場合は人でも構いません。上司以外でも同じフロアにいる先輩社員や社外の人に近づいていき影響を受けられる環境を作っていきましょう。
自ら率先してコミットメントをしていくこと。
これは私の経験なのですが周りの人は失敗した時のリスクを意識して強いコミットメントをする人が少ないです。報告の仕方だけがうまくなっていき結果的にコミットしたことは出来ていないケースが非常に多いです。
そんな環境でどうしたら良いのか?を考えた結果
全員が参加している会議やお客様に上司と同行している場で自らコミットします。
この姿を後輩や先輩たちの前で行うことで組織の雰囲気自体を変える方法です。
新人のうちは難しいかもしれませんがコミットする内容はなんでも良いです。
とにかく最初のうちはコミットしまくることです。
- 明日までに全員の机を綺麗にしておきます。(社内)
- 今日中に本日の課題の議事録を送ります。(社内外共通)
- 明日の12時までに見積書の提出をさせて頂きます。(お客様)
- 教えて頂いた本の感想を今週金曜日の定例会で話させてください(お客様)
自らたくさんコミットをしてコミットメントすることを自分の中での常識にしてしまいましょう。
コミットが難しい環境であれば転職も視野に入れる。
上記でコミットメント力を高めようとしても、どうしても実現が難しい場合は転職を視野に入れましょう。
私自身も転職活動を行なっております。
今は転職市場も盛んで良い転職エージェントを捕まえて年収アップの転職ややりがいを求めての転職などいろいろ選択肢が増えております。
下記のような少しでも違和感を感じてしまう場合は転職を視野に入れましょう。
社内全体にコミットメントがないことに気づいた時
自ら率先してコミットメントをしていたとしても社内全員にコミットメントがない場合は何も評価されません。その環境に2ー3年いると心が持たないですし、その思考が染みついてしまいます。
もし染み付いてしまうとあとから塗り替えることは非常に大変です。
若いうちに気づけたのであれば早めの転職を検討しましょう。
会社のミッションに共感ができない場合
ミッションに共感できない場合はそもそも居心地が悪いと思います。その環境で仕事を続けることは困難です。うまく雰囲気だけ合わせて過ごすことも出来るかもしれませんがコミットメントの視点から言えば非常に勿体無いです。
仕事は世の中には溢れています。自分が納得できる仕事に取り組んでいる会社は必ずございます。無ければ起業しても良いです。
私も現職のミッションに共感できない部分が増えてきたため転職を考えております。入社時は良いと思っていたこともことも歳を重ねると違和感を抱いたり変えれない自分を情けなく思ったりと精神的に追い込まれるケースもあります。
その場合は、その会社に居続けることが不幸になるため他の会社を見てみましょう。
まとめ
- お客様にコミットメントをする
- 約束は守る
この2点がビジネスにおける大原則です。これを仕事の軸に考えて実践し続けることが成功への近道です。
それが満たせないのであれば転職活動を行いましょう。
周りの環境を変えてみることは、コミットメントを高めるうえで最もよい方法です。
やりたい仕事をしていない、同僚や上司の仕事へのコミットが低い、職場の雰囲気が合っていないなど、このような悶々とした気持ちで仕事をしている場合は、環境を変えてみましょう。自分に合った最適な環境に身を置くとコミットメントが高まります。
下記参考文献となります。非常に参考になりました。社会人1年目だけでなく10年目を超えてる人も参考になる内容がたくさん書かれております。